2008年08月07日
 ■ 暑中お見舞い

 なにか涼しげな画像でもということで、こんなのはいかがでしょう。

Chocolate Milk "Action Speaks Louder Than Words"
(オランダRCA 10290 / 1975)

(クリックで裏面も見られます)

 チョコレート・ミルクはニューオーリンズで活動していた大所帯ファンク・バンド。最初の5枚のアルバムをアラン・トゥーサンがプロデュースしています。これは75年のデビュー・シングルですが、オランダ盤はピクチャー・スリーヴ付きだったのですね。絵がかわいいのでつい買ってしまいました。


 なかみの7インチはこんな感じ。
 


 チョコレート・ミルクが涼しい飲み物かどうかは微妙なところですが、彼らの音楽は、まさに夏向きの、ちょっと気だるい、田舎道を歩いているようなファンクで、今の季節におすすめです。
 CD化が進んでいないのが残念ですが、この曲の入ったファースト・アルバムはこれ。いちおうエロジャケです。

Chocolate Milk "Action Speaks Louder Than Words"

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2008年06月07日
 ■ "Southern Nights" のリマスター盤が出た

 雑誌レコード・コレクターズの6月号でアラン・トゥーサン特集・後篇の原稿を書きました。

レコード・コレクターズ 2008年6月号

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 ソロ名義の活動、メンバーとして参加したグループ/プロジェクトを紹介した前篇(3月号)に続き、今回はプロデューサーとしての活躍を紹介しています。80年代からニュー・オーリンズR&Bの音源リイシューに関わってこられた湯浅学氏によるアルバム・レビューが5ページ、私が評伝とリストという構成になっています。

「アラン・トゥーサンのプロデュース全仕事」という恐れ知らずのコピーが付いていますが、まさにその意気でシングルとアルバムのリストをまとめたものの、これですべてと言い切れるとは思っていません。追加や訂正の情報をお持ちの方は、ぜひ編集部のほうまでご連絡いただきたいと思います。

 とにかく、これで大役を果たせたという安堵感から、書き終えてしばらくは気が抜けたようになっていたのですが、2回目ということで今度こそ悔いの残らないように書きましたので、アラン・トゥーサンやニュー・オーリンズの音楽に興味のある方はぜひ読んでみてください。

 ちなみに第一特集はスティーヴ・ウィンウッドの大特集なのですが、2つの特集を続けて読むと、ウィンウッドとトゥーサンが意外なほど近くで活動してきたことがわかっておもしろいです。

 そういえば、タイミングよくアラン・トゥーサンのソロ・アルバム『サザン・ナイツ』の国内盤CDが、新たにリリースされています(5月28日発売)。

Allen Toussaint "Southern Nights"
(Warner Music Japan/WPCR-75407) 2008

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HMV

 何といっても注目は「デジタルリマスター」と明記されていること。91年の初CD化以来17年ぶりの新マスター採用ということになるのかもしれません。レーベル面がリプリーズ盤を模したものに変わったのも嬉しいところ。ブックレットも版面が一新されて読みやすくなり、内容も新解説(松永良平)、91年版解説(ピーター・バラカン)、歌詞対訳という構成に変わっています。これで1800円は安いのではないでしょうか。
 前作 "Life, Love and Faith" と並ぶ代表作ですので、試しに1枚聴いてみようかという方にもお勧めしたいです。

左:75年の米オリジナル盤のレーベル / 右:今回のCDのレーベル
 

おまけ:75年の日本盤『サザン・ナイト』

 

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2008年03月20日
 ■ Ernie K-Doe のアルバムが初CD化された!

 久しぶりの更新です。「アラン・トゥーサン」で検索して来てくれる人が増えているので、関連する話題を書きます。

 レコード・コレクターズの3月号で、アラン・トゥーサン特集の原稿を書かせてもらいました。20年以上愛読しているあこがれの雑誌に書くことができて感無量です。私の原稿は拙いところが目立って嫌になりますが、音楽評論家の文屋章氏による渾身のソロ・アルバム全レビューは、それを補って余りあるものです。アラン・トゥーサンやニューオーリンズの音楽が気になる人はぜひ読んでみて下さい。

レコード・コレクターズ 2008年3月号

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 さて、アーニー・ケイドーといえば、アラン・トゥーサンがプロデュースした1961年の "Mother-in-Law" がポップ・チャート1位の大ヒットになったシンガーですが、そのアーニーが70年代にもう一度アランと組んでアルバムを作っていることは意外と知られていないようです。

Ernie K. Doe "Ernie K. Doe" (Janus JLS 3030)

 ニューヨークのレーベル、ジェイナスから1971~72年ごろ(*)に発売されたアルバムです。久しぶり(6~7年(*)ぶり)にアラン・トゥーサンがプロデュースすることになった経緯は不明ですが、10曲中8曲がアランによる書き下ろしの新曲で、アレンジも全曲手がけているので、力の入りようがわかります。なぜか「ケイドー(K-Doe)」ではなく「K・ドー(K. Doe)」に改名(?)していますが、名前をそのままアルバム名にしたことからも心機一転の気概が伝わってきます。
*(さらに調べたところ70年の発売という説が有力のようなので訂正しておきます。2人が組むのは65年以来5年ぶりということになります。4月2日追記)

 発売当時どのぐらい話題になったのか判りませんが、内容が良いのに言及されることが少ないのは、アナログ~CD時代を通じて一度も再発されたことがないからでしょう。それが今週、いきなりCD化されたのだから驚きました。

Ernie K-Doe "Here Come the Girls" (Great American Music/2008)

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HMV

 題名もジャケットも違いますが、中身はジェイナス盤の世界初CD化です。アルバムの全10曲にボーナス・トラック3曲を追加した13曲を、曲順を変えずに収録。なじみのないレーベルですが、音楽ライターのビル・ダール(Bill Dahl)の企画で、ライナーノーツも彼が書き、ケイドー夫人の許可も得ているし、マスタリングのクレジットもあるということで、きちんとしたリリースであることがわかります。

 アーニー・ケイドーということで60年代ののんびりしたR&B路線を予想すると面食らうかもしれませんが、もう少し力強いソウルというかファンクのアルバムです。
 個人的にはA面(CDでは1~5)の流れが大好きで、シングルカットされた "Here Come the Girls" 、映画ファンには『ブルース・ブラザーズ』のテーマ曲としておなじみの「お前を離さない」をうまく換骨奪胎した "A Place Where We Can Be Free" 、いかにも70年代前半のトゥーサンらしい気だるいファンクの "Whoever's Thrilling You (Is Killing Me)" (直後に同じジェイナスから出たアルバムでグラディ・テイトがすかさずカヴァーしている)あたりがすばらしいのです。
 B-1で、ダニー・ホワイトのヒット曲 "Kiss Tomorrow Goodbye" をカヴァーしているのは、彼とアーニーをアランがよく比べていたことを考えると面白い選曲です。

 録音場所も参加ミュージシャンも表記されていないのですが、シー・セイント・スタジオができる前なので、ロサンゼルス、メンフィス、マイアミなどいろいろな可能性がありそうです。私にはミーターズのメンバー(の少なくとも一部)が参加しているように聞こえますが、これは確認できませんでした。

 ボーナス・トラックは、このあとに出たシングル(Sansu 1016)の両面と "Mother-in-Law" のアウトテイク。とりわけシングルA面の "Hotcha Mama" は快作だと思います。もう1枚のシングル(Sansu 1006)の両面も収録してくれれば、70年代のアーニー&アランの集大成になったのですが、そこまで望むのは贅沢というものでしょう。
 このCDで何といってもうれしいのは、音がよいことです。LPは中古盤で2度買っているのですが、2枚ともチリチリという細かいノイズがひどく(1枚はシールド未開封だったのに)、状態の良い盤はないのかとあきらめていました。ようやくシャキッとした音で聴けて、それだけでも感謝しています。
 ちなみに、ここからカットされたシングル(Janus J-167)は珍しいうえに人気があるようで、凄い値段が付いているのを見たことがあります。両面ともアルバムで聴けるのにいささか不思議です。

 今回のCD化で唯一残念だったのはジャケットで、60年代初期の写真だし、デザインも地味だし、こりゃないですよね。これでは、60年代前半のミニット/インスタント時代の編集盤と間違われるのは必至でしょう。私はオリジナル盤のジャケット写真をCDのケースに入れて気分を出しています(上のジャケット写真をクリックするとぴったりサイズの画像が)。


ミニット/インスタント時代の編集盤はこちら
"A Real Mother-in-Law for Ya: The Allen Toussaint Sessions 1959-63" (WestSide/2002)

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音楽評論家・文屋章氏のブログ
http://boon-log.cocolog-nifty.com/blog/
 

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2007年01月14日
 ■ Happy Birthday, Allen Toussaint!

 ニュー・オーリンズが生んだ最高のソング・ライターにして、唯一無二のソロ・アーティスト、暖かい音と独自のスタイルを持ったピアニスト、アレンジャーであり、献身的に働くプロデューサーでもあるアラン・トゥーサンは、1938年1月14日の生まれ。つまり、今日が69歳の誕生日なのだ。おめでとうございます、そして、元気でいてくれてありがとう、と心から言いたい。

 元気なばかりか、現役ミュージシャンとして第一線に復帰して(ハリケーン・カトリーナが原因なのは残念なことだが)、06年は来日ライヴという夢のような出来事まであったのだからうれしくなってしまう。20歳、32歳、34歳、37歳、40歳、58歳で、6枚のソロ名義のアルバムを発表してきたアラン・トゥーサンだが、ここ最近の活躍ぶりを見ると、どうしたって新作への期待が募る。今年はぜひ、新曲と歌声とピアノ演奏がたっぷり詰まったソロ・アルバムを聴かせてほしい。

 個人的な話をすれば、アラン・トゥーサンの音楽を初めて聴いてからすでに四半世紀も経つのに、本当に入れ込むようになったのは最近のことである。だから初来日も94年のフェスティバル出演も見逃している(悔しい)。ニュー・オーリンズには行ったことがないので、かの地の様子も想像するしかない(これも悔しい)。つまり「ニュー・オーリンズ音楽のファン」と言えるほどの知識も蓄積もないのだが、それでも「アラン・トゥーサンのファン」だと言えるのは、彼の音楽が明らかに他と違っていて、ソロ作でもプロデュース作でも聴けば大抵それとわかるからだし、さまざまな音源を集めて聴けば聴くほど、他のニュー・オーリンズ音楽にはない特徴がはっきりと浮かび上がってきて、代えの効かない個性にいよいよのめり込んでしまう。

 このブログを作った目的の一つに、アラン・トゥーサンについて連載するということがあり、近々始める予定なのだが、まずは誕生日のお祝いということで。


 アラン・トゥーサンのソロ名義のアルバム

The Wild Sound of New Orleans (1958) 20歳

ディスクユニオン 復刻LP

The Complete "Tousan" Sessions (1992) 20歳

Amazon.co.jp 同CD

Toussaint (1970) 32歳

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Life, Love and Faith (1972) 34歳

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芽瑠璃堂

Southern Nights (1975) 37歳

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HMV

Motion (1978) 40歳

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Connected (1996) 58歳

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