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ジャズ・ピアニストで作曲家のアンドリュー・ヒルが亡くなった。なんてこった。
ディスクユニオン
http://blog1.musicfield.jp/du_ds2/archives/2007/04/andrew_hill_1.html
ブルー・ノート
http://bluenote.com/news.asp?NewsID=441
All About Jazz
http://www.allaboutjazz.com/php/news.php?id=13551
古巣のブルー・ノートに再復帰して、久々のメジャー配給アルバム『Time Lines』を出したばかりだった。それが世界的に賞賛され、日本でもミュージック・マガジン誌の年間ベストでジャズ部門の1位に選ばれたばかりだった(日本盤が出ていないのに!)。CD3枚分のピアノ・ソロ録音が発掘されたばかりだった。ネルス・クラインによるカヴァー・アルバムが出たばかりだった。
つまり、これまでになく話題を集め、活動が注視されていた、まさにその時に亡くなったのだ。
あるいは、数年前から闘病生活をおくっていたというから、2000年以降、毎年のように新作アルバムを出していたのは、先を急いでいたのかもしれない。いずれも評判が良かったのに、いつでも聴けるからと後回しにしていた私はバカである。
The Dusk (2000) Amazon.co.jp
Beautiful Day (2002) Amazon.co.jp
The Day the World Stood Still (2003) Amazon.co.jp
Time Lines (2006) Amazon.co.jp
フリー・ジャズとフュージョンという両極端からジャズに入ったせいか、じつはピアニストにあまり興味がない。好きなピアニストを問われても、セロニアス・モンクやセシル・テイラーは別格としても、数えるほどしかいない。アンドリュー・ヒルは60年代のブルー・ノートのアルバムは全部聴いているので、かなり好きだったと言えると思う。
家にあるもので何か聴こうと思ってレコード棚を探したのだが、いちばん新しいのが74・75年録音のフリーダム盤『Spiral』だったのには愕然。80年代のアルバムも一枚ぐらい持っていると思ったのだが……。これじゃ死を悼む資格などないかも。
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今月の目玉は、チャンネルNECOの鈴木英夫特集! なんと3ヶ月がかりで16本を放送するという大特集です。うれしいなあ。
鈴木英夫は50年代から60年代なかばにかけて東宝で活躍した監督で、90年代前半に“再発見”されるまでは、ほとんど注目されることのなかった人です。そのため同時代の名匠巨匠に比べて知名度はいまだに低く、これまでもNHK-BSで小特集が組まれたり、日本映画専門チャンネルでインタビュー番組が放送されたり、WOWOWで大映時代の幻の作品が放送されることはありましたが、これほどのボリュームの大特集は初めてです。
4月の放送分はこの5本(2日~)。
二人で見る星(1947)
魔子恐るべし(1954)
脱獄囚(1957)
花の慕情(1958)
その場所に女ありて(1965)
まずは何といっても代表傑作『その場所に女ありて』がおすすめ。そしてデビュー作『二人で見る星』、『魔子恐るべし』『脱獄囚』などはおそらくCSにおいても初放送で、非常に珍しい作品ばかりです。5・6月の残り11本は何をやってくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。
チャンネルNECOの特集ページ
http://www.necoweb.com/neco/program/category.php?id=429
同チャンネルでは他に、森一生の『出獄四十八時間』が未見なので気になります。
日本映画専門チャンネルでも、偶然、鈴木英夫の『続三等重役』(1952)が放送されます。また、市川崑の特集や、「悪名」シリーズの特集が続いているほか、『緯度0大作戦』が久方ぶりのテレビ放送解禁となります。
WOWOWでは、サミュエル・フラーの小特集が!(22~24日)
鬼軍曹ザック(1951)
赤い矢(1957)
戦火の傷跡(1959)
傑作『鬼軍曹ザック』を字幕付きで見られる日が来ようとは! そして、見る機会がないことではさらにその上をいく『戦火の傷跡』まで!! 『赤い矢』が今回もトリミング版なのだけは残念ですが、いずれにせよ驚くべき企画と言えます。
WOWOWではもう1本、『パニック・フライト』がおすすめ(8日)。ウェス・クレイヴンが監督した2005年の殺人スリラーで、かなりの傑作だと思うのですが、残念ながら劇場公開されませんでした。エンドロールを除くと1時間15分しかないという、まるで40年代のBムービーのような奇跡的な作品です。ホラー映画ではありませんが、邪悪すぎて滑稽な悪役、戦うヒロイン、閉鎖空間の恐怖など、クレイヴンの好きな題材がふんだんに出てきます。
その他、めずらしいところでは、
クローディアと貴婦人(1973)
劇場公開されなかったのであまり知られていませんが、これはE・L・カニングズバーグの『クローディアの秘密』の映画化。大貫妙子「メトロポリタン美術館」のもとになった児童文学の名作ですね。『ナイトミュージアム』もヒット中だし、今見ても楽しいと思います。(CS GYAOチャンネル/5日他)
これは原作。
Amazon.co.jp
キャブ・キャロウェイのハイ・デ・ホー(1947)
これは初公開? キャブ・キャロウェイが自身の役で主演しているミュージカルだそうで、映画の出来はわかりませんが、演奏シーンは見ものだと思います。(シネフィル・イマジカ/7日~)
曲目リストはこんな感じ。
http://www.imdb.com/title/tt0039460/soundtrack
そのほか、4月ということでテレビシリーズの新番組が目につきますが、私が気になっているのは、児童ファンタジーの「マーニーと魔法の書」(NHK教育/3日~)、自白を引き出すのが専門の女性刑事を主役にした「クローザー」(LaLa TV/7日~)、誘拐事件の人質救出請負人を描いた「キッドナップ」(AXN/7日~)といったあたりです。
「マーニーと魔法の書」公式サイト
http://www3.nhk.or.jp/kaigai/marnie/index.html
「クローザー」公式サイト
http://lala.tv/programs/closer/
「キッドナップ」公式サイト
http://axn.co.jp/kidnapped/index.html
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